A50事業報告 / A50実行委員会 Mail


4.A50キャラバン事業
−日米市民対話−

構想と準備
 A50キャラバンは、米国市民にA50事業の主旨を直接伝え、率直な意見交換を通じて相互信頼を深め、今後の協力関係への基盤を醸成していくことを目的として企画された。
 戦後を経験した世代、様々な分野で中堅として活躍中の世代、これからの担い手となる若い世代をそれぞれ代表する3名を1チームとし、15チームが2ケ所ずつを訪問して表敬、スピーチ、ディスカッション、ローカルメディアヘの出演等を行うことを基本の構想とした。
 具体的なプログラムの企画と運営は(財)日本国際交流センター(JCIE)に委嘱し、米国側では
National Association of Japan-America Societies,Inc. (NAJAS) を中心として受入れの協力を得ることとした。
 参加メンバーは、実行委員など関係者とJCIEによって推薦された候補者から世代のバランスに配慮して選出し、世代、経験、専門分野の組み合わせを考慮しつつチームを編成し、米側に示して受入れ側プログラムとのすり合わせを行なった。
 7月半ばまでにチーム編成と訪問ルートを決定し、7月24日に第1回事前会合を開催してブリーフィングを行うとともに、チームメンバー相互間の連携を図るための懇親会を開いた。


米国での活動
 キャラバンチームは、9月8日の東京式典第一部に出席し紹介を受けた後、直ちにサンフランシスコに向けて出発した。サンフランシスコでは、現地9月8日に開催された記念式典に出席した後、市長主催レセプション、ガラ・ディナーに参加した。
 9月9日朝、第2回事前会合を開催し、チーム毎に訪問地プログラムへの対応を再確認するとともに、受入れ側出席者と打ち合わせの機会を持った。
 同日、15チームはそれぞれ第一訪問地に移動し、予定されたプログラムの中でA50主旨の伝達を図るとともに、メンバーそれぞれが選択したテーマで日本の現状を語り、今後の日米関係のあり方について意見を交換するなど、直接対話による草の根交流を実施した。
 しかしながら、各チームが第一訪問地での予定をほぼ終え、第二訪問地に移動しようとしていた9月11日朝に同時多発テロが発生し、全米の空港が閉鎖された。したがって、以降のプログラムを全てキャンセルすることを余儀なくされた。陸路で第二訪問地に移動した一部チームを除き、チームメンバーは全員第一訪問地で足止めとなり、それぞれ帰国便を手配して9月20日までに帰国した。


総括と報告
 この結果、第二訪問地でのプログラム、および9月14日にワシントンで開催を予定していた総括会合を実施できなかったが、その代替として10月23日に東京で会合を持ち、次のような総括を行った。
  • 各訪問先では行き届いた準備と温かい受入れの下で、様々なかたちの直接対話による草の根交流を実施し、期待以上の成果をあげることができた。
    とかく親米派と親日派に限られがちな交流を一般の人々との間に拡大していくために、今回の経験がこれからの日米交流に活かされれば幸いである。

  • 世代と専門分野が異なる3名を組み合わせたチーム編成は、各メンバーが自分の考えを自分の言葉で語ったことと相挨って日本の多様性を示すうえで有効であった。

  • テロ発生により後半のプログラムを実施できなかったことは残念であるが、事件直後の極めて特殊な状況の中で全メンバーが米国と米国人の危機対応を目撃し、日本の反応、ひいては今後の国際社会におけるわが国の役割について考え、語り合う貴重な経験をしたので、キャラバン報告書にこの点を含めるべきである。
 なお、プログラムの内容、交流の詳細とその評価については現地側のレポートを含む報告書を別途作成し、日米交流に携わる機関をはじめとする関係者、本プロジェクトにご協力を頂いた皆様に配布する。




連絡先:A50事業関連連絡事務所 (株)デシジョンシステム気付
東京都港区赤坂6-8-9氷川坂ビル Tel.03-3589-0321
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