A50事業報告 / A50実行委員会 Mail


3.奨学金事業
−100人の若いアメリカ人のための奨学金−

 奨学金制度創設の目的は、「特徴のあるジャパン・スカラシップ」として日本における研究・調査活動での経験を踏まえ、帰国後に、専門分野や個人活動を通じ、日米の理解促進・日米関係の向上等に寄与できる、米国の人材を発掘し育成することとした。
 1997年9月に開催された第1回A50推進有志懇談会(世話人会が改称)で「特徴のあるジャパン・スカラシップ」を事業の大きな柱とすることが確認された。さらに1998年9月の第1回実行委員会でその方向性と枠組みが承認され、この時発足した幹事会の下部組織として奨学金部会が設けられた。
 奨学金部会の活動は、趣旨に沿った詳細案を作成するために既存の奨学金制度を調査することから始まった。その調査をもとに、既存のものには見られない「特徴」を見出すのに時間を見つけては会議を持つという数ヶ月が続いた。
 その結果、1999年4月の第2回実行委員会にて、総予算を3億円とし日本での研究・研修を目的とした米国人を1年10名程度、10年間継続して日本に招聘したいとするA50奨学金のアイデアを提案し、承認を得た。

A50式典でのA50フルブライト奨学生紹介
 同年9月の第3回実行委員会では、上記を基本的な枠組みとして、実行委員会解散後の運営、さらには免税事業としての実施が可能となるよう、フルブライト計画(日米教育委員会・日米教育交流振興財団)との協力を検討することを提案し承認された。
 承認後直ちにフルブライト計画側と協議を重ね、翌2000年4月の第4回実行委員会にて、A50事業の趣旨を生かし、基本的にはフルブライト側の条件を満たしてフルブライト計画側にその運営を委嘱する、「A50フルブライト奨学金」の創設を提案、承認された。同時に、奨学生選考のための「A50フルブライト奨学生選考委員会(選考委員会)」の創設も確認された。

 上記の基本的な合意の下、奨学生の募集が米国にて開始される一方、選考委員会の規定、並びにフルブライトに運営を委嘱するための条件の検討を続けた。
 2001年3月、フルブライト計画より20名の「A50フルブライト奨学生候補」が推薦され、幹事会での議論を経て、実行委員会会長を中心としたメンバーにより10名の第1次「A50フルプライト奨学生」を選出、同年4月の第6回実行委員会に提案し承認された。同時に、選考委員会の規定の骨子が確認された。
 上記の確認を得て、選考委員会の規定の詳細を議論すると同時に選考委員の本格的な人選に入った。また、フルブライト計画との間で業務継承の条件についての詳細な打合せも開始した。

 2001年9月下記の選考委員が就任した。

  会長: サンフランシスコ平和条約締結50周年記念A50事業実行委員会
      会長   大河原良雄 (財団法人 世界平和研究所理事長)
  委員: サンフランシスコ平和条約締結50周年記念A50事業実行委員会
      委員   小林陽太郎 (富士ゼロツクス株式会社会長)
      委員   橋本徹 (株式会社 富士銀行会長)
     サンフランシスコ平和条約締結50周年記念A50事業幹事会
      委員長  飯久保廣嗣 (株式会社 デシジョンシステム社長)
     日米教育委員会
      事務局長 サムエル・M・シェパード

 選考委員会は、早速9月6日には第1次奨学生と懇親の機会を持ち、A50の趣旨に相応しい成果が得られるよう意見交換を実施した。その後、奨学生は9月8日の式典に参加、数日を東京で過ごした後、それぞれの研究の地に赴いた。
 奨学生は現在鋭意研究に励んでいる。彼らと接触があった際には温かい言葉と支援の手を差し伸べて頂きたい。
 最後に、諸般の事情から当初の計画通りの事業遂行は無理となったが、選考委員会が実施5年後を目処に過去の成果を検証し、大きな成果が収められているとの結論に至れば、この「A50フルブライト奨学金制度」を永続性のある奨学金とすべく努力する方針が確認されていることを報告し、その際にはぜひ引き続いてのご支援が頂けるようお願いしたい。




連絡先:A50事業関連連絡事務所 (株)デシジョンシステム気付
東京都港区赤坂6-8-9氷川坂ビル Tel.03-3589-0321
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